資金調達のリスクは大きく分けて、借り手側都合と貸し手側都合の2種類があります。
借り手側都合のリスクは、計画通りの資金繰りができなくなった際に受けるペナルティなどです。
融資を受けて返済遅延を起こすと、遅延損害金が発生して会社の信用に大きな傷が付きます。
負債が原因で倒産・廃業に追い込まれるリスクがあることを認識しておきましょう。
返済が滞らなかった場合でも、想定以上に売上や利益が減ってしまって月々の返済額や利息の負担が大きくなってしまうケースがあります。
資金繰りに問題が生じそうな場合は先手を打って早めに対処することが大切です。
こうした借り手側都合のリスクは計画性を持つなどの方法でリスク回避が可能です。
一方で、貸し手側都合のリスクは銀行の貸し剥がしなど、借り手側には落ち度のない問題でもトラブルに発展するリスクがあるので注意しましょう。
資金調達先ごとに生じるリスクをまとめました。
資金調達における様々な出資先と、その特徴やトラブル事例を見ていきましょう。
VC(ベンチャーキャピタル)は、潤沢な資金力でベンチャー企業に積極的な投資をします。
基本的には上場かM&Aを目標に会社が成長するためのサポートをしてくれますが、想定外のトラブルに発展するケースもあります。
以下のトラブル事例を見てみましょう。
VCによる経営への関与が大きくて自由な経営ができなくなってしまうことがあります。
加えて、VCの買収による古い従業員のリストラ、VCの経営悪化によって計画通りに会社が成長しているのに途中で株式を第三者に売却されるなどのリスクなどが挙げられます。
出資ならではのリスクを理解し、慎重に資金調達することが大切です。
エンジェル投資家も基本的には出資者になるため、VCと同等のリスクが生じます。
VCはプロ集団で形成された組織が運営していますが、エンジェル投資家は個人投資家が多いです。
非常識で筋が通っていないエンジェル投資家が、経営参入など当初の約束とは違う要求をしてくるケースがあるので注意しましょう。
エンジェル投資家を相手に訴訟へ発展するトラブルが散見されますので、お金を出してくれるかだけではなくエンジェル投資家の信頼性や人間性を考慮して慎重に資金提供を受けるか検討してください。
日本政策金融公庫は貸し手側都合のリスクが非常に少ないですが、以下のデメリットがあります。
貸し手側のデメリットは担当者の当たりはずれがあることくらいです。
その反面、トラブルに発展するケースはほとんどが借り手側都合の問題によるものです。
特に注意が必要なのが、運転資金が不足して追加融資を受ける際です。
創業時の資金調達は時間をかけて手続きできる場合が多い一方で、運転資金不足の資金調達は未払いを起こさないようスピーディーさが求められます。
状況に応じて銀行融資やビジネスローン、ファクタリングなどの資金調達方法も併用するとよいでしょう。
公的機関による公的融資は、日本政策金融公庫のほかに「商工会議所」や「全国信用保証協会連合会」などがあります。
どの機関も審査に時間がかかり手間が多いというデメリットがあるだけでなく、商工会議所や全国信用保証協会を利用するには会員になる必要があります。
資金調達だけを目的に会員になった結果、会費などの負担が経営を圧迫してしまうケースがあるので注意しましょう。
公的機関は国や都道府県など行政が支援しているため、貸し剥がしなど貸し手側都合によるトラブルは基本的にありません。
契約内容をしっかり確認しておけば、計画通りに資金を調達・返済することができます。
借入後に追加の資金調達が必要になった場合は、時間や審査に通るかを見極めて、他の資金調達方法と比較検討するとよいでしょう。