社債の利用で資金調達
社債とは、企業が資金を募るために投資家に買い取ってもらう有価証券のことです。
社債を発行する場合とは、
- 新規事業を始める
- 古い設備の刷新
などの資金調達が必要な時になります。
企業において、資金の調達が必要な場面でメジャーな手段は社債を利用する方法か株式を発行する方法になりますが、この2つの似たような手段はどのように違うのでしょうか?
社債と株式の資金に対する考え方
株式の発行によって得られる資金は投資と同じ考えになります。
受け取ったお金には返済する義務が発生しません。
一方社債の考え方は、投資家からお金を借りるというもので、借り入れたお金に利息がついた状態で返済する義務が発生します。
社債による資金調達の流れ
資金が必要になった場合、社債を発行することを決め決議したのちに投資家に発行した社債の購入を求めなくてはなりません。
発行の決定から実際に資金を得るまでの流れは以下の通りになります。
- 取締役会で社債を発行すると決議する
- 社債を募る際の決め事を12項ほど決定する。ここで社債の金額や利子率などを決定する。
- 投資家に社債の発行を知らせるとともに、社債の購入者を探す。
- 立候補があった投資家それぞれから購入してもらう社債の量を決める。
- 投資家からの払い込みを受ける。
このような流れで資金の調達に至ります。
手順と比較して決め事が多岐にわたる社債の発行ですが、発行の決定から交付日までは約1ヶ月ほどで行われます。
企業には、その期間で募ることのできる期待値を正確に算出することが求められるでしょう。
社債発行におけるメリット
企業にとって、株式を募る場合と違い、利息が発生することをデメリットと捉えられるかもしれません。
しかし、あえて社債を発行することで得られるメリットがあります。
それは、株式の発行と違い会社の運営に関する干渉を受けることがない、ということです。
通常、株式の発行は資金の調達に伴い、株主を生み出すことになります。
株主は状況によっては経営の面にメスを入れることで、会社経営の舵を取ることもできます。
言い方を変えるなら、株式の発行は会社の意思決定の譲渡とも捉えることができるのです。
社債の発行は、会社の方針を守りながら自由に成長することができる、という点が魅力的だと言えます。
目的にあった資金調達を
社債の利用について、想像することができたでしょうか?
利息を重視するか自由を重視するか、会社にとって必要な項目次第で資金調達の方法は変わってきます。
社債にも複数種類がありますので、ご自身の企業にあったものを調べてみてはいかがでしょうか?