コミュニティクレジットの取り組みで最も大切なことがコミュニティ同士の信頼感です。

コミュニティクレジットとは

コミュニティクレジットのイメージ

特定のコミュニティにより深い繋がりを持つ地域社会において、特殊な資金調達法があります。
それが「コミュニティクレジット」と呼ばれる手法です。

 

コミュニティクレジットとは、地方や同業者などのある一定のコミュニティ性を持った繋がりの強い中小企業同士が、お互いの掲げた目標を達成するために連携することで、個人で活動していた時よりも高い信用を生み出し、金融機関の担保条件を満たすことで資金調達を実現させる手法です。

 

 

資金調達実現の仕組み

コミュニティクレジットが具体的に資金を得るまでにはどのような工程があるのでしょうか?
コミュニティクレジットにおいては、以下のような仕組みがあります。

 

  1. すでに信頼関係にある企業同士が集まってコミュニティを形成する。
  2. ①で築いたコミュニティ内で資金を出し合い、そこに日本政策投資銀行からの融資を加えて信託財産を作り出す。
  3. ②で作り出した信託財産を実質の担保として利用することで、コミュニティ内の数社に不動産などの有形資産をはじめとした、担保を必要としない融資を受けることができる。

 

といった流れで融資が行われます。
コミュニティの中で最も立場が高い(融資を必要としない)企業は、コミュニティ内で融資が必要な企業の借り入れに対して保証を行うなど、コミュニティ内での役割があります。

 

 

国内最初となる実例

コミュニティクレジットはヨーロッパや中央アジアを中心に実現されてきた「マイクロファイナンス」という取り組みを元に作成された取り組みです。
日本版マイクロファイナンス、といったところでしょう。

 

国内初のコミュニティクレジットの実現例として「神戸コミュニティクレジット」があります。
この時はリーダー的な存在となった日本トラストファンドを中心としたコミュニティによる金融と、地域社会に対する今までにない挑戦が実現した形となりました。

 

当時は15社の出資企業がコミュニティクレジットへの参加を決意し、うち6社がこの取り組みにて資金を獲得することができました。
その時の事業規模は1億円にも昇る金額で、2年間もの短い期間で返済が完了した成功例になります。

 

神戸コミュニティクレジットでの取り組みは、国内初ということもあり、取り組みのベースとなったマイクロファイナンスや、通常のコミュニティクレジットに比べていくらか特別な内容のものになりますが、これから国内での実例が増えていくほど、ルールは精査されていくことでしょう。

 

 

これからの広がりについて

今回ご紹介したコミュニティクレジットという取り組みで最も大切なのは、コミュニティ同士の信頼感です。
ただ利害の一致だけで形成されたコミュニティでは失敗していたことでしょう。
地域社会を大切にする日本だからこそ成功した希少な取り組みであり、今後はより強力な実例ができることを期待されています。

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