事業資金の貸付でも幅広く使われている不動産担保融資のメリット・デメリットとは?

不動産担保融資

不動産担保融資のイメージ

 

不動産担保融資は名前の通り所有している不動産を担保にした融資です。
事業資金の貸付でも幅広く使われていて、低金利かつまとまった資金調達のできるメリットがあります。
最大のデメリットは返済できなくなった時に担保に入れた不動産を差し押さえされてしまうことですが、ほかにも初期費用や融資実行に時間のかかる欠点があります。
不動産担保融資の特徴をご覧ください。

 

 

不動産担保融資のメリット・デメリット

 

メリット
  • 審査に通りやすい
  • 高額な資金調達が可能
  • 長期借入が可能
  • 保証人不要になることが多い

 

デメリット
  • 返済できなくなると担保不動産を差し押さえられる
  • 初期費用が高い
  • 中途解約に手数料がかかる
  • 融資実行まで長い

 

 

融資には担保と保証人の有無があります。
担保融資には不動産融資の他に、設備、売掛債権、証券などがあります。
不動産は長期的に価値の下がりにくくて試算価値の大きいため、借入期間が長くて低金利、審査の通りやすいメリットがあります。
保証人の有無を別途選択できますが、不動産担保融資では保証人なしでも審査に通りやすいです。

 

審査では担保に入れる不動産の評価を算出するため1週間前後の時間がかかり、抵当権を設定する登記費用や事務手数料などで借入金の1~3%ほどの手数料を取られます。
また一括返済や借り換え時にも、抵当権抹消登記や事務手数料で1~2%ほどの手数料を取られるため、短期借入には向いていません。

 

 

個人資産の不動産を担保にすると倒産時のリスクが高い

借入時に代表者が連帯保証人になって融資を受けている場合を除いて、会社と代表者の資産は別枠の扱いになります。
会社が倒産して多額の負債を出しても、連帯保証人や個人名義の資産を担保にしていなければ金融機関は代表者の個人資産に手をつけることはできません。
持ち家など個人資産の不動産を担保にすると事業がうまくいかなかった時に家を失ってしまうリスクがあります。

 

すでに多額の借金で社長が連帯保証人になっていて、倒産時には自己破産をする覚悟がある場合は不動産担保融資を利用してもリスクに大きな違いは出ません。
不動産担保融資を利用する際は、返済できなくなる可能性の高さと、会社が倒産した時の状況を踏まえて検討しましょう。

 

 

すでに抵当権が付いている場合でも利用できる?

一番多いパターンとして代表者の家を担保に入れる場合に住宅ローンを利用して抵当権が付いている場合です。
ほかにも事業用地の取得で借入をすると抵当権が設定されています。

 

抵当権は第一順位、第二順位・・・と順位をつけて売却した際の資産を差し押さえする権利が明確になっています。
住宅ローンを利用して抵当権が付いている場合は、住宅ローンの貸付をした金融機関が第一順位になっていて、後から事業用の不動産担保融資を新たに利用すると第二順位になります。
第二順位以降の抵当権の場合、順位の高い抵当権の回収が終わって残っている金額のみ回収できます。

 

たとえば起業する直前に住宅ローンを組んで返済がほとんど進んでいない場合、差し押さえ→競売によって売った代金の全額を第一順位の抵当権設定者が受け取ってしまうので、第二順位以降は回収ができません。
この場合は審査に通る可能性は極めて低いです。

 

既存の抵当権がある場合は、不動産評価額から借入残高の差し引かれた基準を限度に融資可能になります。
たとえば不動産評価額が2,000万円で第一順位抵当権者への借入残高が1,000万円だった場合は、新たに第二順位の抵当権を設定することで1,000万円まで融資を受けることができます。
他社の不動産担保融資を利用して第二順位、第三順位の抵当権が設定されていても不動産評価額と貸付残高の関係によっては追加融資を受けられる場合があります。

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